この記事では、高金利の通貨が下がる理由について紹介します。
FXをやっていると、高金利の通貨はスワップポイントが大きく魅力を感じます。
スワップポイントの大きさを目当てに、高金利の通貨を保有するつもりであれば、失敗する可能性があることも知っておいてください!
高金利になっている通貨には、金利が高いぶんだけ下がるリスクを抱えています。
高金利で有名なトルコリラは長く円高傾向が続き下がり続けていますよ。
通貨に価値は様々な要因で決まりますが、高金利の通貨は金利を高くすることで価値が下がっていくのを抑えようと戦っている状態です。
高金利通貨のトレードは計画的に。
高金利の通貨が下がる理由
高金利の通貨が下がる、円高方向に進んでいく理由を紹介します。
- 物価が上昇してる(インフレ)
- インフレが進めばお金の価値が減っていく
- 金利を高く設定しないとお金が出ていく
以上が通貨が下がる理由として考えられることです。いずれも金利を高くせざるをえない理由ともいえます。
物価が上昇してる(インフレ)
金利が高いということは物価が上昇(インフレ)していることになります。
物価が上昇する傾向になると、買いたいものが高くなってしまうまえに買ってしまおうという心理が働くもの。かけこみ買いです。
お金が使われることは悪ではありませんが、銀行など金融機関からすれば資金がどんどん出ていくことになります。
過剰に資金が出ていくことを防ぐために、金融機関はお金を預けておくメリットとして、高い金利を設定するのです。
崩れつつあるバランスを金利で保とうとする動きです。
物価の上昇(インフレ)が進めばお金の価値が減っていく
インフレによって物価があがっていくと、相対的にお金の価値は減ってしまいます。
例えば100円で買えていたコンビニのコーヒーが200円になってしまった場合、100円の価値は以前の半分になってしまっていますよね。
今あるお金の数字に変化がなくても、物価が上昇すれば財産は減っていることになります。
価値が減ってしまっていく通貨を持ち続けるのは怖いです。
手放したくなりますよね。価値を保てる別の形にしたくなるので、どんどん使ってしまえという動きが活発になります。
余談になりますが、自国通貨、私たちであれば日本円の価値がどうなるのかは考え続けないといけません。
よくいわれるのが「インフレリスク」です。
もし100円で買えたコンビニのコーヒーが200円になってしまったとき、あなたは生活を維持できますか?
インフレに対応できるようにするのは投資です。
高金利通貨ではなくとも、円以外のカタチで資産を持っているようにしたいですね。
金利を高く設定しないと通貨流出する
価値が減っていく通貨を持ち続けるメリットはなく、策を講じなければ金融機関からどころか、国から別の国へとお金が流出してしまいます。
国外へお金が流出してしまうのを防ぐための方法が金利を高くすることです。
金利が高いという価値を用意して、通貨の需要を高めることで、国内の資金を守ろうとします。
でも、通貨の価値は下がっているんですよ。
金利を高くして魅力をアピールしないといけないぐらい、通貨として信用されていない状態なんです。
信用をなくしつつある通貨を持つよりも、安全な通貨を持っていたいと思うのが当たり前です。
高金利の通貨を買うならリスクがあることを忘れてはいけない
高金利の通貨は価値が下がりやすく、金利を目当てに保有するつもりならリスクがあることを忘れてはいけません。
金利が高いことは大きな魅力です。持っているだけで資産が膨らんでいくのですから。
でも、資産が膨らむスピードよりも、通貨価値が低下するスピードのほうが速ければ意味がありません。
FXでは金利が高いほど毎日もらえるスワップポイントが大きくなります。
スワップポイントがたくさんもらえる通貨には魅力がありますが、スワップ目当てのトレードを強くおすすめすることはできません。
私はトルコリラ/円を高金利通貨であることから、FXで積み立てトレードをしています。
ポジションをコツコツ増やし続けている身であっても、おすすめするトレードの方法ではありません。
積み立てトレードを続けながら、いつ口座資金が吹っ飛ぶかわからないと思っています。
あまりにスワップポイントが大きいので、円高方向に進み続けていても大きなダメージにはなっていませんが、一進一退のバランスはいつ崩れてもおかしくないでしょう。
戦略として高金利通貨を買うことを考えるのはいいと思います。でもメリットばかりを見るのではなく、リスクがあることをより強く見ておくべきです。
投資や投機は自己責任。忘れてはいけません。
高金利通貨をショート(売り)で取引することを考える
通貨の価値が下がることが予想できるなら、ショート(売り)でFXトレードをすればいいのではないかという考え方もできます。
間違ってはいないですが、やはりリスクはついてきます。
トルコリラのようにプラススワップが大きい通貨は、マイナススワップも大きいです。
長い期間、ショートポジションを持てばスワップの支払いが続きます。
支払うスワップを飲み込めるだけの利益を作れないといけません。逆方向に値動きした場合だけでなく、値動きの停滞もリスクになります。
結局、FXで高金利通貨をトレードすると買おうが売ろうがリスクと隣り合わせです。
まとめ:下がるリスクがあっても高金利通貨を買うかを考える
この記事では高金利通貨が下がる理由について紹介しました。
- 物価が上昇(インフレ)し、通貨の価値が下がる
- 通貨の価値をどうにか維持するために高金利になる
- 高金利通貨の売買にはリスクがある
金利の高い通貨が信用されていないことは、なんとなくわかっていましたが、こうして記事にしてみると改めて下がり続ける理由がわかりました。
そもそも高金利の通貨が下がりやすいのが先ではなく、下がっている通貨の価値を支えるために高金利になっています。
FXをやるとスワップの甘いところに魅了されやすいです。ほっとけば増えていきますからね。
でも、もらえるスワップ以上に値動きでマイナスになるとポジションを保有し続ける意味がありません。
トルコリラなど高金利の通貨は、リスクを折り込んで値動きの予想をしつつトレードしないといけないですね。
むしろ面倒なんじゃないだろうか。
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