あとでよくよく考えてみたら、間違った選択をしていた経験はありませんか?
ダイエット中なのに、期間限定のカロリーたっぷりドリンクを飲んじゃったとか。
手堅くコツコツ投資していこうと決めていたのに、ハイリスクハイリターンの投資に突っこんでみたりとか。
目先の利益・満足感を取りにいってしまうことがあるんですよね。
よく考えたら別の選択をしていたほうが絶対よかったはずなのに。
目先の利益を優先してしまうのには「現在志向バイアス」が関係しています。
そんな「現在志向バイアス」について、さらに詳しく紹介していきます。
現在志向バイアスとは
現在志向バイアスとは「未来の大きな利益よりも目先の小さな利益を優先してしまう」という人の心理傾向のことです。
「どっちが得かはさすがに判断できる」と思われるでしょうが、思っているほど合理的に人間はできあがっていないということです。
私たちは日々、たくさんの選択を迫られて決断しています。
アナタも毎日、選択と決断の連続の中で頑張っていますよね。
選択をするべきときに最善の選択をしているはずですが「今」を過大に評価してしまっている選択がもしかしたらあるかもしれません。
心理的な傾向なので、意識していないところで決断に影響します。
なので、完全に回避するのは、なかなか難しいです。
でも「現在志向バイアス」の存在を知っているだけでも、決断の前に一度立ち止まるきっかけになるかもしれません。
現在志向バイアスの例:マシュマロの実験
現在志向バイアスの有名な例として「マシュマロの実験」があります。
子どもを実験室に連れていき、1個のマシュマロが乗ったテーブルの前に座らせます。
そして「一定時間(例えば20分)マシュマロを食べないで我慢したら、もう一つマシュマロをあげるよ」と伝えます。
こんなやり取りのあとで、大人は部屋を出ます。
そして、子どもに知られないように20分間の子どもの行動を観察します。
我慢のできない子どもは、本能の誘惑に負けてマシュマロを食べてしまいます。
図解よくわかる行動経済学「不合理行動」とのつきあい方 川西諭
20分後(未来)まで待てばマシュマロが2個もらえたはずなのに、目先の1個のマシュマロを食べてしまうというのは、まさに現在志向バイアスが働いていそうな例です。
対象が子どもなので、先を見越して計算する子がどれだけいたのかなど、ほかにも考えることはありますが、純粋な心理傾向が見れているような気もします。
問題が単純であっても、必ず合理的な選択ができるわけではないんですよね。
外から見たらなぜ?と思うようなことでも、当事者にとっては欲を満たしただけ。
本能やメンタルに、意識しないところで揺さぶられていることを忘れてはいけません。
「今すぐ」を優先しがち
人は無意識に「今すぐ」を重要に考えて優先しがちです。
将来のためだとわかっていても、苦しかったり大変なことを選ぶのは難しいからです。
しんどいことなんて、できればやりたくないのが本音。
今すぐもらえる利益、喜び、楽しみを優先しちゃうのは人間っぽさだなあと思います。
また、将来のことは先になるほどイメージがしにくくなって、現実味がなくなるところもあります。
身体にいいと言われる食事や運動を続けるのが難しいのは、今現在の身体が健康で何も問題がないからです。
若いうちは油物いっぱい食べたりして不摂生でも、運動不足になってても、身体の変化に気づくようなトラブルはほとんどないと思います。
若さってすばらしい!
しっかり目に見える「今すぐ」を重要視してしまうのはしかたないのかもしれません。
みんな忙しい中で頑張っています。
頑張っていたら休みたいし、ご褒美があったっていい。
目の前の誘惑に弱くもなりますよ。
今現在、目に見えていることだけを過大に評価しているかもしれないことを頭に入れて、現在と将来を客観視できるといいですね。
客観的に見れるように心と身体に余裕を作ってあげる工夫もしていきたいです。
まとめ:人は非合理的な選択をしてしまう
この記事は「現在志向バイアス」についてでした。
- 目先の利益を優先してしまうのは「現在志向バイアス」があるから
- 未来の大きな利益よりも目先の小さな利益を優先してしまう
- 「いま」の過大評価に気をつける
「現在思考バイアス」を考えると、人は簡単に非合理的な選択をしてしまう生物だということがわかります。
未来のことは、遠くなるほど現在志向バイアスがかかり、優先順位を無意識に低く見てしまうようです。
すべてを合理的に考えて選択していくのは無理な話なのかもしれません。
自分を客観視することで、できるだけいい判断ができる回数を増やせるといいですね。
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